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コラム

ウェッジウッド

  • 2019.03.22
  • カテゴリ:

ウェッジウッドの歴史

 

ウェッジウッドといえば、イギリスの有名な高級陶器メーカーですよね。

ブランド陶器に詳しい方でなくても、名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?

今回はそんなウェッジウッドの歴史についてお話ししたいと思います。

 

ウェッジウッド社は、「英国陶工の父」と呼ばれるジョサイア・ウェッジウッドにより、1759年に創立されました。

 

ジョサイア・ウェッジウッドは1730年(日本では享保15年、江戸時代)に、イギリススタフォードシャー州ストーク・オン・トレントのバーズレムで陶芸の工房「チャーチャード工場」を営む、トーマス・ウェッジウッドとメアリーの第13子として生まれました。

 

1739年、ジョサイア・ウェッジウッドが9歳の時に父のトーマスが亡くなり、家業は長兄が引き継ぎました。

学校を中退したジョサイア・ウェッジウッドは、兄のもとで本格的な修行をすることになります。

 

11歳の時に天然痘にかかるという大きな不幸に襲われ、右足が不自由になってしまいます。

しかしこれは、ジョサイア・ウェッジウッドの仕事への情熱を加速させることとなり、「歩けないのなら頭を使えばよい」と陶器に関する調査と研究に専念していきました。

若年の頃から製陶技術や図柄など、知識を評価されていたといいます。

 

1754年には、その当時もっとも偉大とされていた陶工で、フェントン・ヴィヴィアン窯のトーマス・ウィールドンと共同経営をすることになります。

 

1759年、29歳になったジョサイア・ウェッジウッドはバーズレムにアイビーハウス工場を借りて独立します。

これが「ウェッジウッド」の始まりです。

 

「陶芸を芸術の域まで洗練させたい」と夢見たジョサイア・ウェッジウッドは、日々研究と実験を重ねます。

1762年にアイビーハウス工場から、同じバーズレムにあるブリック・ハウス工場に移転。陶工製造業では大変画期的な、エンジンターン(動力ろくろ)を導入しました。

このブリック・ハウス工場でジョサイア・ウェッジウッドは、ウェッジウッドの代表作になる、エナメルを用いたクリーム色の陶器、「クリームウェア」を完成させることに成功します。

この時代は白い器を作ることが大変難しいとされており、「クリームウェア」は画期的な乳白色でした。

この優雅な「クリームウェア」にジョージ3世の妻シャーロット王妃も魅了され、1765年に【クイーンズウェア Queen’s wear(女王の陶器)】という名称の使用が許可され、翌年にはシャーロット王妃から「Potter to Her Majesty (女王陛下の陶工)」を拝命することになりました。

その後も決して満足することなく、さらに研究と実験を重ね、1768年には「ブラックパサルト」を完成させます。

「ブラックパサルト」はスタフォードシャー州で作られていた黒色陶器を改良した物で、今でもウェッジウッド社の主力商品の1つです。

 

1769年には大親友でもある、リバプールの有能な商人「トーマス・ベントレー」が共同経営者になったことで、ウェッジウッド社は急速に事業を拡大していきます。

 

【クイーンズウェア Queen’s wear(女王の陶器)】はヨーロッパだけでなくアメリカ大陸にも出荷されることになりました。

さらにロシアのエカチェリーナ2世からも50人分のディナーセットを注文されたこともありました。

ウェッジウッド社が得意としていた「クリームウェア」にイギリスの風景を描き、カエルの紋章を付け、「フロッグサービス」を完成させました。

全部で944点もあったそうです。

 

同じころには、ジョサイア・ウェッジウッド最大の偉業ともいわれるオリジナルの素地「ジャスパー」を完成させました。

ジャスパーで有名なのは、「ポートランドの壷」。

古代ローマで作られたカメオ・ガラスの「ポートランドの壷」をモデルにしてジャスパーウェアで作成した物です。

 

1795年にジョサイア・ウェッジウッドが亡くなった後、息子であるジョサイア2世が跡を継ぎ、偉大な父に負けない優れた食器を作っています。

ジョサイア2世は「ボーンチャイナ」を完成させ、世界でも揺るぎない高級テーブルウェアブランドへと飛躍を遂げました。

 

「ウェッジウッド」はイギリス王室をはじめ、各国の王侯貴族たちに愛用され、現代でも人々を魅了し続けています。

 

ウェッジウッド・シリーズ一例

 

ワイルドストロベリー

ウェッジウッドの人気シリーズ。

デザインの特徴として、イチゴとピンクのお花が描かれています。

2015年には誕生から50周年を迎えた記念で、少しデザインが違う記念品が発表されています。

 

 

ジャスパー

ワイルドストロベリーと同様に人気があるシリーズ。

研究を重ねて誕生したストーンウェア。

テーブルウェアだけでなく、飾りとしても人気を集めるシリーズです。

代表カラーのページブルーは「ウェッジウッドブルー」とも名付けられています。

 

フェスティビティ

淡い色合いや、シンプルなデザインが特徴的なシリーズです。

アイボリー、ブルー、ピンク、セージグリーンのカラーバリエーションがあります。

 

アレクサンドラ

2004年に誕生した、日本でも人気の高いシリーズです。

ウェッジウッドの伝統的なデイジー柄やティアラをモチーフにしたエレガントなデザインが特徴です。

カラーバリエーションはペールブルーとシャンパンカラーがあります。

 

プシュケ

ギリシャ神話の「キューピッドとプシュケの物語」を元に名付けられました。

2006年に誕生したシリーズで、カラーバリエーションはエメラルドグリーンとピンクの2色があります。

 

スウィートプラム

上品で華やかなデザインのスウィートプラムは2006年に誕生しました。

2016年には10周年を祝って、スウィートプラムダマスクが発表されています。

 

フロレンティーン

ウェッジウッドのロングセラーシリーズです。

1874年に発表され、伝説の生物「グリフィン」が描かれています。

フロレンティーンターコイズ、ピンク、インディゴホワイトなどの種類が発表されています。

 

ハンティングシーン

少女がクレヨンで描いた絵を元に生み出されたシリーズです。

イギリスの田舎の風景や、ハンティングの様子などが描かれています。

 

オズボーン

1983年に発表されたベストセラーシリーズです。

イギリスのワイト島にある、ヴィクトリア女王の館「オズボーン・ハウス」が名前の由来です。

 

 

ユーランダーパウダー

1903年ホワイトハウスでの特注品として発表されました。

カラーバリエーションはターコイズ、ブルー、ルビー、ピンク、ペールブルー、グリーンなど豊富で、気品のある高貴な印象のシリーズです。

 

ブループラム

1995年に発表されたシリーズです。

プラムと草花のデザインが濃淡をつけたブルーで描かれています。

ブルーの他に、鮮やかなワインプラムも発表されています。

 

 

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