コラム
エメラルド
- 2018.12.21
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世界の4大宝石の一つにもあげられるほど人気の高い神秘的な宝石と言えば皆様ご存知のエメラルドです。
今回はこのエメラルドについてお話をしたいと思います。
エメラルドの歴史は紀元前4000年頃まで遡ります。
エメラルドの語源は“緑色の宝石”を意味するギリシャ語の“smaragdos”(スマラグドス)です。
いつの間にか発音が変わっていき“エメラルド”になりました。
中世ヨーロッパでは「ヘルメスの石」という名でも呼ばれていました。
この由来となるギリシャ神話に出てくるヘルメスは12神の1人で3度転生したとも言われていて賢者として崇められていたようです。このエピソードからエメラルドは「宇宙と繋がる叡智を授ける石」という意味があると言われています。
エメラルドといえば、やはり一番初めに頭に浮かぶのが古代エジプトの女王「クレオパトラ」です。
絶世の美女としても語り継がれているこの女王は、このエメラルドに魅了された人物の一人です。
エメラルドの宝飾品はもちろんですが、粉末上にして化粧用のパウダーにしたり、衣類にちりばめて楽しんでいたというほどのエメラルドの愛好家だったそうです。
有名なのは、クレオパトラ女王は自身のエメラルド鉱山を持っていて周りの大使等にもエメラルドを分け与えていたといいます。クレオパトラにとってエメラルドはなくてはならないものだったのです。
エメラルドの産地
現在のエメラルドの産地と言えば、コロンビア・ザンビア・ブラジル・ジンバブエなどが有名です。
他にはマダガスカル・パキスタン産のものもありますが、やはり初めにあげたコロンビアを始めとした4つの産地が国際的市場の中で重要な産地となっています。
コロンビア産
エメラルドの重要産地であるのがコロンビア。現在では世界シェア約50%の産出量です。
しかも質がとても良く超一級。
エメラルドの原石は発掘された時には六方柱型をしています。石の周りをグリーンの層が皮のように覆っているのが特徴です。
加工をする時にはこの特徴を活かし、また大きさをより大きく保つために、エメラルドカットに研磨されることが一般的です。
コロンビアのエメラルドの特徴は、青色を含まないその良質な素晴らしい緑色で、それによって他の産地のものと区別されます。緑色が濃く柔らかい味わいがあります。
とくにムゾー鉱山のエメラルドは最高級と言われています。
鮮やかな色合いを持つチボール鉱山のエメラルドも世界的に高い評価を受けています。
ザンビア産
ザンビアで産出されるエメラルドは色味や原石の形、内包物までが一部のブラジル産と似ていると言われています。
原石は丸みを帯びていることが特徴ですのでエメラルドカットではなく、オーバルカットに研磨されることが多いです。
中には、洋なし型をしたペア―シェイプカットに研磨されることもあります。
また、ブルーに近い色味が特徴です。
ブラジル産
バイア鉱山で採れるエメラルドはバナジウムによる発色でとても濃い青味のグリーンが特徴です。
ジンバブエ産
産出される鉱山の名前から「サンダワナエメラルド」と呼ばれています。
平均が0.08カラットと小粒であるのが特徴です。
黄色を帯びたグリーンという色味が高品質素材として評価されています。
ジンバブエのエメラルドはラウンドカットやスクエアカットに研磨されることが多いようです。
エメラルドの評価・クラスの見分け方
エメラルド以外の色石にも評価基準があります。どのように評価が行われるのかというと、まず、基準の色が決まっています。
その色に基づき評価対象の石が100点満点中、何点に当たるかを判断します。
それと同時にインクリュージョン(内包物)や透明度、テリなども大きく評価に関わってきます。
上記をよく吟味し判断した上で
60点未満と判断された品質の石をCクラス
60点以上と判断された品質の石をBクラス
80点以上と判断された品質の石をAクラスといったように点数によりクラス分けがされます。
エメラルドの評価基準色は丁度良いエメラルドグリーンが基調の色になります。
この色より遠ざかるに従い点数も下がっていきます。
例えばオリーブグリーンは濃い色とされ点数が下がりますし、竹色も薄い色とされるので点数が下がります。この濃淡の程度が高くなるほど点数は下がっていってしまいます。
また、色の“深み”も評価対象とされます。この“深み”とは決して色の濃さではなく、どれだけ鮮やかなグリーンなのか?ということです。
至高のカラーは鮮緑色の鮮やかなエメラルドグリーンです。
エメラルドの加工
エンハンスメント
エンハンスメントとは英語で「改良」という意味を持つ言葉です。
エメラルドの評価分けをする際に大きく関わってくるのが上記でもご説明をいたしましたが、“インクリュージョン”(内包物)です。
エンハンスメントは、このインクリュージョンを目立たなくさせエメラルドの美しさを引き出す方法として施されています。
処理としては透明のオイルを使用してインクリュージョンを目立たなくさせたり透明樹脂で改善する方法が一般的です。
ポイントはエメラルドが持っている本来の美しさを損なわないような処理方法であることです。
宝石店で扱われている殆どのエメラルドにはこの処理がされておりエンハンスメントは数百年前から行われており、宝石業界では正式に許可されています。
ちなみに、クレオパトラの宮殿のエメラルドで飾られていた部分はオイルが滲み落ちていたと言う話があるほどです。
トリートメント
エンハンスメントは「宝石の本来の美しさを引き出す処理」ですが、トリートメントは人工的に宝石の改変を行う処理です。
自然界では起こりえない科学的な変化を引き起こし、色や透明度を大きく変えてしまいます。
つまり、全く違う石に造り変えてしまう処理です。
もちろん目的は「宝石をより美しくすること」ですが、トリートメントを施されたものになると元々の見た目とかけ離れた色や透明度になるため宝石としての価値は極端に低くなります。
お持ちのエメラルドをお手放しになる事をお考えであれば、まずエメラルドの品質を理解することが大切になります。ご自身のエメラルドが幾らくらいになるのか、お気軽に当店へご相談下さい。
心を込めてご査定させていただきます。
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