コラム
ROLEX
- 2018.11.28
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ROLEXの歴史
今回は高級時計の代名詞、ロレックスについてお話させていただきます。
ロレックスといえば時計がお好きな方はもちろん、
腕時計にあまり興味がない方でもその名を知られる存在ですね。
世の中にはロレックスよりも高価で歴史の古い時計ブランドが沢山あります。
ですが、知名度という点では世界一の時計メーカーだと言えるでしょう。
ロレックスの歴史は1905年、創業者のハンス・ウィルスドルフが24歳で
時計販売の専門会社を設立したことから始まります。
1881年ドイツのクルムバッハに生まれ、子供時代に孤児となったウィルスドルフは青年時代は学費を稼ぐため、祖父が経営していた花屋を手伝っていたそうです。
学校を卒業後、19歳でスイスのラ・ショー=ド=フォンにあるクリオ・コンテン社という時計の輸出会社に入社。
時計の知識とともに輸出のことも学んでいき、セールスマンとして才能を開花させたと言われます。
そして時計の知識と経営の知識を携えてロンドンに渡り、24歳で現在のロレックスの前身となる「ウィルスドルフ&デイビス社」を義兄弟のデイビスと一緒に設立したのです。
当時の時計の主流はまだ懐中時計で、腕時計の性能はまだまだ発展途上でした。
しかしウィルスドルフは腕時計がエレガントであるだけでなく、信頼性も兼ね備えるものになると予見していたのです。
ウィルスドルフはまず初めに、「ムーブメント」の精度を上げ腕時計の性能を向上させることに力を注ぎました。
1902年から親交があった「ジャン・エグラー社」に資本金の5倍もの金額を
使ってムーブメントを発注しました。
ムーブメントを買うだけでなく、エグラー社に技術を提供するなど
より精度の高いムーブメントがつくれるよう協力し合い、非常に精度の高いムーブメントを搭載できるようになりました。
「ウィルスドルフ&デイビス社」を設立して3年後の1908年に「ROLEX」というブランド名をスイスのラ・ショー=ド=フォンで商標登録。
ハンス・ウィルスドルフは自社の時計に短い・発音しやすい・記憶に残る・時計本体の刻印が美しく見える名前を付けたいと考えました。
あらゆるパターンのアルファベットを組み合わせて、数百もの候補が完成しましたが「これぞ」というものがなかったようです。
ある日、ウィルスドルフがロンドン市で乗合馬車に乗っていた時、天から降りてきたお告げの様に「ROLEX」という名前がひらめいたそうです。
「ジャン・エグラー社」はウィルスドルフの技術提供・知識提供により、
1910年にピエンヌ公式時計検査所での精度検査結果でクラス1を獲得。
さらに4年後の1914年には、イギリスのキュー天文台で実施された精度テストでA級証明書を獲得しました。
これは腕時計では初となり、「ジャン・エグラー社」のクロノメーターは世界的に認められるようになりました。
高い精度のムーブメントを共同開発することができましたが、次に課題となったのがケースです。
時計の商品価値をより一層高めるために、様々な会社のケースを吟味し、
「オイスター・ウォッチカンパニー」のケースを採用。
この「オイスター・ウォッチカンパニー」を技術も含めて買収し、「オイスターケース」として1926年にスイスとイギリスで特許を取得しました。
オイスターケースは金属の塊をくり抜き、そこにムーブメントを内蔵。
リューズと裏蓋をねじ込み式で密封することで高い耐水性や、耐久性を実現した画期的なケースです。
1927年、オイスターケースが完全防水で耐久性のある腕時計であることを証明するため、イギリスのメルセデス・グライツという女性がドーバー海峡横断にチャレンジ。
オイスターケースの腕時計を着用したまま、ドーバー海峡を泳いで渡りました。
チャレンジは見事成功し、10時間以上も水中にあったオイスターケースの腕時計は完璧に動き続けていたそうです。
ロレックス社はこの成功を新聞一面を使った広告で世の中に伝えました。
高い防水性を証明したオイスターケースの腕時計は、一躍注目の的となり
ロレックスの名を世に知らしめたのです。
ちなみに、このオイスターケースはロレックス3大発明の1つです。
ロレックスの3大発明
○オイスターケース
上記の説明にもあるように、金属の塊をくり抜いたケースに、ねじ込み式 のリューズと裏蓋で牡蠣の殻のように固く閉ざされた防水性の高いケース。
○パーペチュアル機構
「永遠」を意味するパーペチュアル。
着用しているだけでゼンマイを巻き上げてくれる機能。
それまでは手巻きで時間を合わせるのが当たり前でしたが、手巻きをする際に埃や水を侵入させてしまうという問題があり、それを解消するために開発されたと言われています。
○デイトジャスト機構
0時になると瞬時に日付が切り替わる機能。
日付表示の機能自体はそれまでにもありましたが、午前0時にカシャッと日付が切り替わる機能はロレックスが開発したそうです。
ロレックスは様々な分野へ挑戦をしています。
1933年エベレスト越えの飛行探検にロレックス・オイスターが携帯され、搭乗したクルーたちは時計の性能に大いに満足したそうです。
1935年には世界最速ドライバーの一人でもあったマルコム・キャンベル卿と
ロレックスが手を結び、スピードの限界に挑みました。
ユタ州のボンネビル・ソルトフラッツでブルーバードというレーシングカーで
時速300マイル(約485km)という地上最速の記録を樹立しました。
マルコム卿は1924年から1935年までに9回も世界記録を更新したそうです。
1947年にはアメリカ空軍の軍人が、オイスターパーペチュアルを着用したまま音速飛行を成功させています。
この様々な挑戦があったからこそ、世界中のプロフェッショナルやセレブから愛されるブランドになったのでしょうね。
1950年代になると、時計の機能の枠を超えて様々な環境下でも最高のパフォーマンスを発揮できるプロフェッショナルウォッチの開発を進めます。
1953年、ジョン・ハント卿率いる登山隊が、オイスターパーペチュアルを携えてエベレスト登頂に成功しました。
同年に100m(330フィート)防水を備えるロレックス初のダイバーズウォッチも登場しています。
1955年にはパン・アメリカン航空の依頼を受け、国際線パイロットのために「GMTマスター」が開発されました。
1960年代には深海潜水艇トリエステ号に同行し、海洋の最深部として知られるマリアナ海溝への潜水に成功。
このように様々なチャレンジ精神が現代まで受け継がれ、完全自社製の
クロノグラフムーブメントや、セラクロムなどの新素材も開発。
現在も実用性を追求して、進化を続けています。
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