コラム
一圓銀貨(1円銀貨)
- 2018.11.07
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本日は、一圓銀貨(1円銀貨)のご説明をさせていただきます。
一圓銀貨(1円銀貨)いちえんぎんかとは、日本の近代銀貨の中の一種です。
「円銀」えんぎんとも呼ばれ、日本では20年間ほど流通をしていました。
加納夏雄の原図の竜図が採用されていて、
見れば見るほど素晴らしい出来栄え・美しさに
古銭コレクターの間では根強い人気の貨幣なのです。
ちなみに、当時の1円の価値は現在でいうと、およそ4万円になります。
1870年(明治3年)の新貨幣条例により、貿易用に製造されました。
1914年(大正3年)まで製造され、主に台湾や中国といったアジア諸国で流通していた貨幣です。
一圓銀貨には極印(荘印)というものが打たれている事があります。
これは何故かというと、中国の両替商が受け取った貨幣に自社の極印(荘印)を打つ習慣があったので極印が打たれた一圓銀貨が多数存在しています。
極印(荘印)が打たれたものになると収集品としての評価は大幅に下がってしまいます。
ちなみに、極印(荘印)を埋めて修理をした修正品というものがありますが、
図柄の歪みがでたり、時間が経過するにつれ修理をした部分の色が浮き上がって見えてしまったりと不自然さが出てしまいますので、
コレクション価値はますます下がってしまいます。
人気が高いがゆえの事ですが、当然、贋作やレプリカも多いので、お買い求めされる際は注意をなさって下さいね。
一圓銀貨の種類
一圓銀貨(1円銀貨)には円銀や丸銀、貿易銀の別名があり
デザイン、年号によって多様な種類に分かれていて価値も異なります。
違いは、1874年(明治7年)に旧一圓銀貨(旧1円銀貨)から新一圓銀貨(新1円銀貨)とデザインの変更がありました。
1887年(明治20年)からは大型と小型というふうに、重さは同じですが大きさが変化しました。
図柄は同じ様に見えますが、よくよく見ると実は差が見られるのです。
この違いを手代わりと呼び、違いによって価値がかわってきます。
知れば知るほど奥深く面白い❢これにはまっていくと、あなたもコレクターの立派な仲間入りです(*^▽^*)
では、旧一圓銀貨からご説明をさせていただきます。
旧一圓銀貨(旧1円銀貨)
1870年(明治3年)に発行されました。
貿易用としての使用目的のため国内では流通しませんでした。
製造期間は1872年(明治5年)までと3年間で発行枚数は3,685,049枚です。
旧一圓銀貨(旧1円銀貨)は普通円・有輪、無輪、正貝円、欠貝円と4種類あり、発行枚数が違いコレクション価値も大きく変わってきます。
直径38.58mm 品位 銀900/銅100 量目26.96g
有輪、無輪の違い
表面は竜図、裏面は中心に太陽があり、太陽から光線が発せられています。
太陽と光線の間に輪があります。太陽の枠(輪)と言えば分かりやすいでしょうか?
この枠(輪)の線が強い物を有輪、弱い物を無輪と呼んでいます。
でも、実はこの枠(輪)の線の強弱は、とくに明確な区別があるわけではないのです。
そこで、今では6時の方向に伸びている光線が円点の間になるものを有輪、
光線が円点の上になるものを無輪と区別をしています。
並べてみれば、すぐに分かると思いましたがやっぱり微妙でした💦💦💦
ご覧をいただいている皆様に伝わると嬉しいです。
有輪
無輪
普通円と正貝円の違い
表面、加納夏雄がデザインをした竜の周りの文字「一圓」の文字に違いがみられます。
比べてみると・・・
普通円は「圓」の文字、員のハの字が短いのが分かります。
正貝円を見ると、ハの文字が長くなっています。
これを知ると一目瞭然で判断することが出来ます。
普通円 正貝円
欠貝円
手代わりの中に、最大の手代わりと言われている欠貝円というものがあります。
では、欠貝円とは・・・これは「圓」の文字、貝の中の横書きが1本欠けているものをいいます。
こちらは、出回っているものの数も少ないので、状態によっては40万円以上ものプレミアム価値がつくものもあります❢
ということは、やっぱり贋作やレプリカも多く見られます。
欠貝円
新一圓銀貨(新1円銀貨)
新一圓銀貨(新1円銀貨)は、直径のほんの少しの違いから大型と小型にわかれます。
1874年(明治7年)から1887年(明治20年)までが大型で、小型と比べると残っている数が少ないので断然希少です。
大型の中でも1874年(明治7年)には前期・中期・後期と分かれて竜が持つ宝珠の渦を巻く方向や「七年」の七の形に違いが見られます。
特に発行枚数が少ない1875年(明治8年)は、未使用品160万円以上で取引されるものもあります。勿論希少価値が高いものは、贋作、レプリカもとても多く出回っているのでより一層の注意が必要です。
新1圓銀貨(新1円銀貨)の1888年(明治21年)以降は小型と呼ばれています。大型と比べると直径が0.5mm小さくなります。
1894年(明治27年)から1914年(大正3年)までは発行枚数も多く入手しやすい年号です。
※明治20年は大型、小型と両方あります。
大型
直径38.6mm 品位 銀900/銅100 量目26.96g
小型
直径38.1mm 品位 銀900/銅100 量目26.96g
貿易銀
日本で貿易銀というと旧一圓銀貨(旧1円銀貨)・新一圓銀貨(新1円銀貨)も指しますが、より専門的な意味合いでは1875年(明治8年)より発行された“貿易銀”表記のこちらの銀貨のことをいうそうです。
デザインは表面に“貿易銀”の文字、裏面には竜があしらわれており、竜を囲むように英語と日本語が混ざり合った表記になっています。
アメリカの“トレードダラー”、メキシコの“メキシコドル”に対抗して明治政府が力を入れ発行した貿易銀ですが1875年(明治8年)・1876年(明治9年)・1877年(明治10年)の3年間という短期間での発行終了となった為、
発行枚数合計 3,056,638枚となりました。
コレクターの間で非常に人気の高い銀貨でもあるので、他の人気の古銭と同様に贋作やレプリカも多く出回っています。
一圓銀貨(1円銀貨)はとても奥深く、ここでご説明をさせて頂いたことは、ほんの入り口です。
直径38.58mm 品位 銀900/銅100 量目27.22g
古銭の魅力
古銭とは私達の知らない数十年前、数百年前あるいはもっともっと前の時代を生きてきた人達の手を渡り、現代に伝わって来ていて、当然ながら二度と新しく作られる事がありません。
その時代に生きた人たちの息吹が感じられて、過去の時代風景を味わう事が出来ます。
当時の人が造り、現在の私達が手にすることが出来る身近な歴史が古銭だと思います。
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